ロジカルシンキングを使った論理的で説得力のある文章の書き方

[Last Updated]2017/01/13

ロジカルシンキング

インターネットビジネスではコピーライティングなどを用いて「文章を書くことによって人を説得する」ということが重要になってきます。

しかし、なんといっても難しいのがこの文章で人を説得するということ。

僕たちが普段会話でコミュニケーションを取る時は、表情や声のトーン、身振り手振りなど文字以外に情報を伝えるために使えるものがたくさんあります。

さらには日本人特有の「空気を読む」力もあって、それほど論理的に話をしなくても相手は理解してくれることが多いのですが、文章ではこうはいきません。

文章は文字以外の全ての情報が欠落した媒体なので、文章を通じて人に何かを理解してもらおうと思うのならば、書き手が論理的な文章を書くことを心掛けなければなりません。

では論理的で多くの人に納得してもらえるような文章を書くにはどうしたらいいのか。

今回は「ロジカルシンキング」を利用して説得力のある文章を書く方法についてポイントをまとめてみました。

ロジカルシンキングはかなり広いテーマで、「仮設思考」「ゼロベース思考」「MECE」「フレームワーク」など語りだしたらきりがありませんが、今回はこれらの言葉はいったん封印しました。

まずはロジカルシンキングの「触り」として「論理的で分かりやすい文章を書く」という部分に絞って解説をしています。

 

ロジカルシンキングについて動画で解説

 

ロジカルシンキングとは?

一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方のことである。

出典:Wikipedia

「論理的な思考」というといかにも難しそうなイメージが先行しがちですが、その考え方はとてもシンプルで、要するに物事の「因果関係」を明確にすることです。

例えば、

「私は傘をさした」

という事象があったとしましょう。

この時、理由としては

「雨が降ってきたから」

「日差しがきつかったから」

というようなものが考えられますね。

しかし、もしもこの時傘をさした理由が

「お腹が減っていたから」

「隣で猫が鳴いたから」

では「???」となってしまいます。

なぜなら「傘をさす」という行為と「お腹が減る」「猫が鳴く」という事象は何の関連性も見えないため、因果関係が全く不明だからです。

ロジカルシンキングの本質はこのように物事の関連性を明確にするというところにあります。

物事の因果関係を明確にすることで、問題の真の原因を突き止めて解決を図ったり、自分の主張に理由付けを行うことで誰にでも納得してもらえるような意見を言うことができます。

 

ロジカルシンキングはなぜ重要なのか

ロジカルシンキングは各種社会人向けのセミナーでもかなり人気となっているテーマです。

僕も新卒で入社した会社の導入教育では、丸2日間かけてじっくりロジカルシンキングについての研修を受けました。

企業だけでなく、最近では大学の理系学部でもこのようなロジカルシンキングに関する講義が増えていると聞きます。

では、なぜこんなにもロジカルシンキングが最近重要視されているのか。

様々な理由があると思いますが、その中の一つが自分の主張を分かりやすく伝えることができるからです。

ロジカルシンキングをマスターすれば、自分の言いたいことを正しく伝えて、相手を納得させることができます。

 

例えば、就職活動。

就職活動では自分がその会社に入ることのメリットを限られた時間で相手に正しく伝えることが重要です。

ここで自分の強みやその強みが事実であることの裏付け、さらにそれをその会社に入っても発揮し、利益に貢献することができる明確な理由を示せれば、その人を採用しない理由がありません。

 

あるいは人に物を売る時。

この商品を購入することによって相手が現在抱えている何かしらの問題を解決できることを論理的に説明できれば、商品の購入率は上がります。

もちろん人間は感情的な生き物なので論理だけでは無理があるかもしれませんが、よほどその商品が好きでなければ、理にかなっていないものを売り込まれても人は物を買ったりしません。

 

これは文章でも同じです。

特に文章では冒頭でも述べた通り、表情や声のトーン、身振り手振りなど文字以外の情報が全て抜け落ちています。

対面のように相手の反応を見ながら説明の方法を変えることもできないため、相手に自分の主張を納得してもらうには対面でのコミュニケーションよりも気を遣う必要があります。

よって、ロジカルシンキングは特に文章を書く上で必要不可欠な要素であると言えるでしょう。

では具体的に論理的で説得力のある文章を書くにはどうしたらいいのか、その方法について見ていきます。

 

主張・理由・事実の3層構造を意識する

「結論から書く」「数字を使う」「ナンバリングをする」など論理的な文章を書くための方法は数多く紹介されていますが、僕が最も重要だと思っているのは主張・理由・事実」の3層構造を守ることです。

主張・理由・事実

文章を書くことの目的は「人を動かすこと」です。

よって、文章には筆者の考える「こうするべきだ」「こうしたほうがいいですよ」という「主張」があります。

「主張」がない文章はただの独白、独り言です。

あなたが日記を書いていて、特に誰も説得する必要ない文章を書くのであれば問題ありませんが、セールスレターなど特定の相手へ向けて文章を書くのであれば、「この商品買ったほうがいいですよ!」という究極の主張があるはずですね。

論理的な文章とは、この「主張」が確かな「理由」と「事実」によって補強された時、始めて出来上がります。

 

主張・理由・事実がきれいに揃った文章

下の例文を見て下さい。

日本の企業は昼休みに20分間の昼寝休憩を取り入れるべきだ(主張)

昼寝をすることで社員の生産能力が上がり、結果会社の業績が上がる(理由)

欧米ではすでに一般的になっていて業績が前年度比15%アップした企業もある(事実)

この文章ではまず「昼寝の制度を取り入れるべきだ」という「主張」をし、その後その「理由」を「社員の生産能力が上がり、会社の業績が上がる」からだと述べています。

そして、その理由が成り立つ根拠を欧米で実際にあったケースという「事実」を用いて補強しています。

欧米でうまくいったからといって日本でもうまくいくとは限りませんが、実際に数字で「事実」を述べているので、非常に説得力があります。

 

「事実」が抜けた文章

「主張」と「理由」までは多くの人も重要性を理解しているのですが、「事実」は意外と抜けやすい部分です。

以下は「事実」が抜けた文章。

日本の企業は昼休みに20分間の昼寝休憩を取り入れるべきだ(主張)

昼寝をすることで社員の生産能力が上がる、(理由)

こういった文章はよく見かけますね。

主張・理由・事実全てが揃った文章と比べて、かなり説得力がなくなったのではないでしょうか。

「生産能力が上がる」といってもじゃあ具体的にどれくらい上がるのか、なぜ上がると言い切れるのか「事実」を基に語る必要があります。

もしも「理由」が感覚的に「事実」だと分かる文章であればわざわざ「事実」を語る必要はありません。

スマホを見ながら歩いてはいけない(主張)

なぜなら、画面に集中しすぎて前を向かずに怪我をしてしまう可能性が高いからだ(理由)

事実、スマホが普及したことによって歩行者の事故遭遇率が20%も増加した(事実)

もしも「スマホを見ながら歩いてはいけない」という主張をより強固にしたいのなら加えても構いませんが、この文章では特に最後の「事実」がなくても、「歩きスマホをすると怪我をするから危ない」というのは感覚的に分かるはずです。

 

「理由」が抜けた文章

以下、今度は「理由」が抜けた文章。

日本の企業は昼休みに20分間の昼寝休憩を取り入れるべきだ(主張)

欧米ではすでに昼寝の習慣が一般的になっていて業績が前年度比15%アップした企業もある(事実)

意味が通るように「事実」に「昼寝の習慣が」という文言を追加しました。

確かにこれでも意味は分かりますが、「理由」が抜けていると階段を1段飛ばしているような感じがするはずです。

この文章を読む人は

「昼寝休憩を取り入れるべきだ」←「業績が前年度比15%アップした企業もある」

と言う流れを見て、「あ、つまり社員の生産能力が上がって業績が上がるから昼寝休憩を取り入れるべきだと言っているのね」と理解します。

読み手が流れを整理して、自分で「理由」を探さなければいけない文章は読み手にとって優しい文章とは言えません。

 

「主張・理由・事実」が噛み合っていない文章

こちらは「主張・理由・事実」に関連性がない文章。

日本人はもっと読書をするべきだ(主張)

なぜなら、日本人は昔と比べて読書をしなくなっているからだ(理由)

実際、出版業界では10年前と比べて売上が-30%も悪化している(事実)

もっと「読書をすべきだ」を主張するのであれば、まず「読書をすることでどんないい効果があるのか」など読書の重要性を訴えるべきです。

しかし、この文章では「日本人が昔と比べて読書をしなくなっている」ことを「理由」に挙げてしまっています。

さらに「出版業界の業績が悪くなっている」からといって「昔と比べて読書をしなくなっている」とは限りません。

なぜなら本を読んでいなくとも、電子書籍を購入しているケースが考えられるからです。

このようにこの文章は「主張」「理由」「事実」の3つ全てがチグハグになってしまっています。

ここまでひどい文章はなかなか見かけませんが、もっと複雑なテーマを扱う場合は「理由」がちゃんと「理由」になっているのかどうかはちゃんと確認しましょう。

 

因果関係が薄い文章

ここで、ロジカルシンキングについて説明をする際に非常によく使われる「風が吹けば桶屋が儲かる」という有名な文章を見てみましょう。

風が吹くと砂が舞う
砂が舞うと人の目に入る
目に入った砂が原因で目が見えなくなる
盲人は三味線を買う(昔は盲人の仕事として、三味線弾きがあった)
三味線の材料になる猫皮を集めるために、猫が捕獲される
捕食者である猫が減ると、ネズミが増える
増殖したネズミが、沢山の桶をかじる
新しい桶が必要になるから、桶屋が儲かる

果たしてこれを読んだ人が「ふむふむ、なるほど風が吹いたら桶屋が儲かるのか」と納得するでしょうか。

おそらくしないはずです。

では、この文章のどこに問題があるか。

それは「事実」がないことにより、「因果関係が薄くなっている」ことです。

「風が吹くと砂が舞う」というのは「理由」にあたりますが、感覚的に「事実」だと分かるので特に問題ありません。

その次の「砂が舞うと人の目に入る」も同様でしょう。

しかしその後、「目に入った砂が原因で目が見えなくなる」とくると大分怪しくなってきますね。

なぜなら、目に砂が入って、そこからさらに目が見えなくなる確率は常識的に考えて非常に低いと思われるからです。

よってこの場合は「目に入った砂が原因で目が見えなくなる」を裏付ける「事実」が必要になってきますが、それを補強する「事実」は文章内にありません。

もしも、「砂が目に入ると50%の確率で目が見えなくなる」という客観的な「事実」があれば話は別ですが、そんな「事実」は普通に考えてないでしょう。

このようにこの文章では本来なら付け加えるべき「事実」が存在しておらず、結果的に「可能性の低い因果関係を無理矢理つなげた」という状態になってしまっています。

 

主張・理由・事実のピラミッド構造

さらに強力に文章に説得力をもたせる方法として、複数の「理由」と「事実」を用意し、主張を中心として横に展開してピラミッドのような構造にすることもできます。

主張・理由・事実

このように1つの主張に対して複数の「理由」とそれを補強する「事実」を用意すると説得力は一気に高まります。

特に「核兵器は全ての国が平等に所有すべきだ」のような一般的に思われていることとは違うことを主張する時は、このように複数の「理由」を挙げることが必要になってきます。

複数の理由を上げる場合、個数はマジックナンバーの「」にしましょう。

「3」という数字は人の記憶に残りやすい数であると同時に説得力が最も増す個数でもあります。

 

「事実」を徹底的に調べあげる

ここまで「主張・理由・事実」の3層構造について見てきましたが、中でも特に重要なのは間違いなく「事実」です。

「事実」を書く際には「それが本当に客観的な事実なのか」をとことん確認しましょう。

「事実」はこの3層構造の中の土台となる部分で、ここが柔らかいと「主張」「理由」を支えきれずに論理破綻を引き起こやすくなります。

特に「絶対こうだ!」と強い断定をする場合、その「主張」と「理由」を補強する「事実」は徹底的に強くする必要があります。

その場合、「事実」に関しては定量的な数字公的な機関が出しているデータなどを用いて徹底的に固めることを意識しましょう。

高い買い物をしようとするほど、それに関してより確かで具体的な情報(事実)を集めてから購入を検討をするのと同じですね。

ロジカルシンキングとは言い換えればいかにこの「事実」を見つけるか、つまり「ファクトファインディング(Fact Finding)」が最大のカギであるということができます。

 

ロジカルシンキングを使って論理的で説得力のある文章を書こう

ということで今回は、論理的で説得力のある文章を書くためには「主張・理由・事実」の3層構造を取るべきという話をしました。

普段文章を書く時や、書いた文章をチェックする時、この3層構造を意識していると文章に説得力が増し、また理由付けが弱いところも洗い出せます。

人に自分の主張を伝えるということは口頭でも文章でも難しいものです。

しかし、この力は高いレベルで身に付けることができればまさに一生モノのスキルになります。

ぜひ、日頃からこうしたことを意識して人に物事を伝える訓練をしてみましょう。

 

ところで、ロジカルシンキングにお決まりの「フレームワーク」「MECE」「ロジックツリー」などの解説はまたの機会にでも。

     
nomadic wood

[Created]2016/10/20[Last Updated]2017/01/13 | Posted in Thinking Method
   

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